カメムシはよく目にする機会があると思いますが、一体何を食べて暮らしているのかみなさんはご存知でしょうか。
臭いのイメージばかりが先行して、なかなかカメムシの生態を知る機会はありませんよね。
カメムシはストロー状の口からさまざまな汁を吸って生活しています。
皆さんがよく見る緑色や茶色のカメムシなどは、多くの種類の野菜や果物植物の葉などから汁を吸います。
このことから作物を育てている者からすれば、カメムシは厄介な害虫であるといえます。
水稲につくカメムシ
特に私たちの食卓に毎日かかせないお米につくカメムシもいます。
稲の穂から汁を吸い取りお米を「斑点米」にしてしまいます。
カメムシが汁を吸ったあとカビが発生してしまい斑点米になってしまうのです。
食べることには影響がない斑点米ですが、見た目の悪さから商品価値が下がるため、米農家には深刻な問題です。
稲につくカメムシは全国で種類がかなり多いのですが、代表的な者だとアカヒゲホソミドリカスミカメやオオトゲシラホカメムシなどがいます。
これらの被害をもたらすカメムシですが、天敵も存在します。
通常天敵というと成虫を餌として捕食する生き物を想像しますが、臭いを放つカメムシの成虫を好んで食べる生き物はなかなかいません。(臭いを気にせずむしゃむしゃ食べるカマキリという強者もいますが…)
カメムシの代表的な天敵は寄生バエや寄生蜂です。
寄生バエの成虫はオオトカゲシラホカメムシの成虫に産卵し、孵化した幼虫がカメムシを餌として成長するのです。
また果樹園などを荒らすカメムシに対しては寄生蜂がカメムシの卵に産卵します。
カメムシの種類によって寄生する昆虫も違うのです。
この天敵を利用して果樹園や米を守ろうと、害虫であるカメムシ退治が各地で行われています。
まとめ
カメムシを好んで食べる生き物はあまりいませんが、寄生されるとなるとカメムシにとって厄介な天敵がいるということがわかりました。昆虫の世界はなかなか厳しい世界ですね。